2009年11月21日 [長年日記]
_ [book]《書評》本を読むのはなんのためか、どうして本を読むのか〜フォーカス・リーディング
以前「速読なんかは絶対にやりたくない」と書きましたが、やはりどうも読む速度が遅いので、少しスピードアップしたいと思ってこの本を読みました(日和ったわ)
読んでみて、正直「うーん」という感じだった。速読術そのものに疑問符がついたわけではないのですが、そもそもわたしは体育会系のノリが苦手なので、まずそこで「うーん」となってしまったのですよ
あともう一つ。著者にとって読書というのはあくまで「手段」なのですね。具体的な知識を手に入れるためにせよ、言葉を深く体験するためにせよ、何かの「目的の達成」のために読書がある
それに対して自分はなんのために読書をするのか、というと、「楽しいから」というのが最初にくる。ただ読んでいることが楽しいから読書するのだと思う。そう言う意味では、自分にとっては「読むことそのものが目的」なんですね。もちろん、何かの目的達成のために読書をすることもあるのだけど、読むことそのものが楽しいから読むのだと思う。そう言う意味では自分にとって読書は「娯楽」「趣味」であり、自分はたんなる活字中毒なのだろう
現実には「活字中毒」といえるほどの読書体験は積んでいないのだけど
もちろん、手段としての読書、目的達成のための読書自体を否定するつもりはないし、それはそれで非常に意味のあること。自分だって、目的達成のための読書はこれまでにも何回もやってきている。でも、こういう問いは無意味だと思うけど、「目的達成のためには純粋な楽しみとしての読書を捨てろ」といわれたら、わたしは絶対「嫌だ」という
でもその一方で、「言葉を深く体験する読書」と「楽しみとしての読書」は、もしかしてリンクするのではないか、あるいはリンクさせることは可能かもしれない、とも思った。その辺の「折り合い」を自分でつけられれば、自分が感じた戸惑いを解消することができるかもしれない
著者がどんな人かはわかりませんが、著者にとっては純粋な楽しみとして行う行為、趣味娯楽が読書ではない、読書はそう言うものにはなり得ない、ということなのかもしれません。単に自分と楽しみの性向が違う人である、というだけのことなんでしょうね
4569701620
フォーカス・リーディングは僕も読みました。ぶっちゃけ練習を途中でやめました。<br><br>昨日読んだこの本がオススメかも。自分のブログ記事で恐縮ですが。<br><br>「眼力」をつける読書術<br>http://book365.jp/archives/1055983.html
わかる気がします。私はあまり速読には興味はないものの、早くは読みたいと思っています。その理由は、言葉を味わいたいから、行間を読みたいから、そんな欲望があるからかもしれません。ただ、文章にも流れがあるような気がしていて、だーーーーっと読んだ方が入ってくる本もあります。私にとっては、大橋禅太郎さんの本(まだ2冊しか読んだことないですが)などは、その類です。いろんな読み方を自在にできる、というのがいいのかもしれませんね。
> イッパイアッテナ さん<br>本のご紹介ありがとうございます。これは是非読んでみたいと思います<br><br>> 虹の父 さん<br>確かに、すべての本を同じように読む必要はないと思います。例えば速読をやったからといって、すべての本を速く読む必要はないわけで。そう考えると、自分の中の戸惑いが少し解消する気がします。
ども。初めまして。著者本人です。(笑)<br><br>えー、別に「楽しみの読書」を否定しているのではなく、「触れていない」だけです。<br>ビジネス書というカテゴリですし、想定する読者層が「ビジネスのための読書」を求める人たちなので、あんな本になっています。はい。<br><br>ちなみに、私は「楽しみのための読書は速読したらもったいない」と思っています。(それでも、味わいとか深みを損なわずに、それなりに速く読むことは可能ですし、否定するつもりはありません。)<br><br>>>「言葉を深く体験する読書」と「楽しみとしての読書」は、もしかしてリンクするのではないか、あるいはリンクさせることは可能かもしれない、とも思った。<br><br>これはまったくその通りでして、それは上述の通り、耕すための読書なんだから「丁寧に、噛みしめながら読もう」と。<br><br>そのあたり、こちらのサイトでいろいろ書いています。<br>>>http://reading-circle.com/<br><br>なにしろ、速読って技術なんで、その先にどういう楽しみ方、使い方があってもいいんです。<br><br>速読できると「楽しみ方の幅」は断然広がりますし、流れを損なわずにノッて読んでいけるってのも魅力の1つです。<br><br>ま、そういうふうにご理解いただければ幸いです!<br><br>突然、おじゃましました。(^^)<br>ではでは。<br>●●
なんと、著者ご本人からコメントをいただけるとは! 驚きました<br><br>確かに速読は技術であり、どう使うかは自分次第だと思います。そこはてらだ様のおっしゃるとおりだと思います。技術を身に付けたからといって、あらゆることにその技術を使わなければならないことはない<br><br>しかし、本を読んだときに感じた戸惑いは、まだ残っています(非常に感覚的なものですが)。これは自分で色々試したり考えたりするうちに解消するかもしれません<br><br>Webサイトもゆっくり拝見します<br>拙い書評ですが、読んでくださりありがとうございます