追記

貧民夜想會 旧館


2010年01月01日 [長年日記] この日を編集

_ 《重要なお知らせ》移転します

いつも「貧民夜想會」を読んでいただき、ありがとうございます

サーバ更新に伴い、ブログを移転いたします

書評部分を分離し、「書肆小波 -books sazanami-」といたします

貧民夜想會」は日日雑記ブログとして継続いたします

どちらも2009/12/30時点では、外側ができただけで中身がありません。2010/01/01より更新します

また、このブログは「貧民夜想會 旧館」として保存いたします

これからもよろしくお願いしますm(__)m

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2009年12月31日 [長年日記] この日を編集

_ 今日までそして明日から(1)

「今日までそして明日から」って、元ネタなんだろうと思ったら吉田拓郎の歌でした

大晦日です。わたしは1月1日生まれなので、明日また1つ年をとります。「今年1年を振り返る」機会と「○才を振り返る」機会が同時に訪れることが幸福なのか否かはわかりません

それはともかく、今年の自分について書きたいと思います

今年は割といい年だったかも。これまでこわばっていた関節や気持ちが、少しゆるんできたように感じる。どんよりとネガティブ一辺倒だった気持ちに、ポジティブさが加わってきた感じ

一番の要因は昨年夏に職場が変わって、それまで典型的「クラッシャー上司」の下にいて、精神的にかなり追い詰められていた状況から抜け出せたことだと思うけど

今年は名古屋ライフハック研究会ライトニングトークに挑戦し、発表したネタについて「役に立ってます」という言葉を複数いただけたこと、「シゴタノ!読書塾」で2回連続で賞をいただけたこと (どれもわたしには大きな成功体験でした)、自分の本を人に貸してすごく喜んでもらえたこと、そういったことがあって、目の前が開けてきた感じがする

そう言う意味では、名古屋ライフハック研究会の皆さん、そして研究会の元になった Lifehacking.jp の管理人 mehori さんのイベントに誘ってくれたあめいちゃん、「シゴタノ!読書塾」への応募を勧めてくれた ライフハックブログ Ko's Style の管理人、コウスケさん、そしてなにより夫にお礼を言わなくてはなりません。あめいさん、コウスケさん、名古屋ライフハック研究会の皆さん、そしていろいろなきっかけを与えてくださった皆さん、ありがとうございました

来年も、もう少し進化したいです

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2009年12月28日 [長年日記] この日を編集

_ [book]今年読んでよかった本

今年は今日までに51冊の本を読みました (何点か書評を書いていないものがあります)。年初に今年の読書目標を「週に1冊読書(=年間53冊)」とし、それにはわずか及びませんでした。来年はもう少し読めるようにしたい

さて、今年読んだ本の中から、特によかったものをあげたいと思います

銃・病原菌・鉄(上巻・下巻)

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上巻の感想下巻の感想

中国の冬—私が生きた文革の日々

4377206338

感想はこちら

この2点は時代も切り口も全く違いますが歴史書です。「歴史のうねり」というものを強く感じた2冊

特に「中国の冬」はとにかく圧倒された。「中国の冬」は文化大革命の悲惨さをこれでもかと伝える本だけど、悲惨な状況の中でも主人公=著者がただ流されるだけでなかったからこそ、これだけ胸に迫るノンフィクションになったのだと思う

「銃・病原菌・鉄」は、自分たちが生きている社会が、実はいくつもの偶然の成り立ちでできていることをわからせてくれた

予想どおりに不合理—行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

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感想はこちら

面白いと同時に非常に考えさせられた本。経済学の観点から人間の本性が生々しくあぶり出される実験を知って、「人間ってどうしようもないけど面白い」と思った

時点として、次の2冊をあげます

貼雑年譜

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感想はこちら

人間はどこまで耐えられるのか

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感想はこちら

ここにあげた5点のうち、友人が書いた書評を見て読んだのが2点、書籍に取り上げられていて知ったのが2点、Webを適当に見ていて行き当たった本が1点です。人から薦められた本に「当たり」が多いと感じた1年でした

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2009年12月23日 [長年日記] この日を編集

_ [book]《書評》太宰って、こんなに面白かったのか〜お伽草子・新釈諸国噺

太宰治は、今まで敬遠してきた作家です。読んだことがある作品と言えば、小学生だったか中学生の時に夏休みの課題で読んだ「走れメロス」くらい。太宰を敬遠したのには特に明確な理由があったわけではなく、なんか自分には合わなそうな人だ、と感じたから。それでもこの作品を読む気になったのは、どこかで「太宰の『お伽草子』は非常に面白い」と聞いたからです

そして今回「お伽草子」と「新釈諸国噺」を読んでみたのですが、読みながらかなり笑ってしまいました。特に「お伽草子」。「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」という、誰もが知っている話が下敷きになっていて、ストーリーもほぼ同じながら、太宰の創作部分や合間合間に入る解説というかツッコミ (表現が適切でないな) が非常に鋭く面白い。

特に「浦島さん」。浦島太郎を竜宮城に運んだ亀がどんな亀だったかの考察の面白さもさることながら、特にぐっときたというかはっとさせられたのが、乙姫から渡された玉手箱を開けて老いてしまった浦島太郎について、三百歳になった太郎は本当に不幸だったのか、乙姫が太郎に玉手箱を渡した本当の意味は何だったのか、と問いかけた場面。自分がこれまで考えたことのないような解釈と、その説得力にうなってしまった

「お伽草子」を読んで、他の太宰の作品を読んでみてもいいかもしれない (でも明るく楽しいものだけにしたい)、とちょっと思いました

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2009年12月20日 [長年日記] この日を編集

_ [book]ぐりとぐら

職場に「ぐりとぐら」シリーズがおいてある。従業員用ではもちろんなく、子供向けです。職場に子連れのお客さんが時々来るので、小学生の息子がいる社員が自宅から持ってきたものです

先日、仕事が暇+職場にほとんど誰もいなかったので、「ぐりとぐら」シリーズを読んでみました。読んだのは初めてではなく、子供の頃に何度も読んでいる(はず)。それなのに、ストーリーは全く忘れていた。今回職場にあった5冊を読んで「こういう話だったのか」と思うばかり

しかし、ぐりとぐら自体は40年以上前に出版された絵本だけど、今でも読み継がれているし、カレンダーや新しい本が現在も発行されている。息の長いシリーズなんですね。他に子供の頃に読んだ絵本というと「スーホの白い馬」と「モチモチの木(ストーリー忘却)」、高校生くらいで読んだ「100万回生きたねこ」位しか記憶にない。他にも色々読んでいたはずなのだけど

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2009年12月13日 [長年日記] この日を編集

_ [book]うれしかったこと

最近人に本を貸して、すごくうれしく感じたことがありました。

そもそものきっかけは、ある方に「池澤夏樹は好きですか」と聞いたことでした。名古屋ライフハック研究会に本を持って行こうと考えたとき、その方が星野道夫を好きだったことを思い出したので。そうしたら「著作は読んだことはありませんが興味はあります」と返答が。それを聞いて、池澤夏樹の本を1冊貸し出すことにしました

元々わたしはビジネス書をあまり読まないこともあり、自宅には「役に立つ」本が少ない。それに社会科学系の本はともかく文学作品は貸し出すとなると難しいので、あらかじめ興味があるかリサーチしたのでした

そして研究会当日に持って行ったのが「読書癖1」。自分がとても好きな本であるのと、小説よりも取っつきやすいかなと思ったのが選んだ理由です。本を手渡したとき、その方はすごく驚いたようでした。小説がくると思っていて予想が外れたからなのか、「読書癖」というタイトルに驚かれたのか

そして実際に読み始めてから「めっちゃ面白いです!!」「ほんとにいい本を貸していただいてありがとう!」とのコメントをいただきました。読書癖1が出版されたのが1991年、その年に購入してずっと手元に残してきた本です。それを人に貸して「ありがとう」「面白い」と言っていただけたこと、ものすごくうれしかったです

これまで人に本を借りて、その本が「大当たり」でうれしい気持ちになったことはあったけど、貸すほうでもこんなにうれしい気持ちになるとは。本の貸し借りは、本当に面白い

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2009年12月07日 [長年日記] この日を編集

_ 《書評》考えること・思うこと〜14歳からの哲学

この本は図書館で借りたのだけど、予約時点で4人待ち、手元にくるまで2ヶ月弱かかりました。出版されてからだいぶ経っている本だけど、人気あるのね。読書感想文や中学高校入試によく取り上げられていることは、今回Amazonの紹介を読んで知りました

「考えるとはどういうことか」「死とは何か」など、14歳向けだけあって、非常にストレートな書き方をされています。読みやすいし、哲学書としてはかなりわかりやすい。古今東西の哲学者が考えてきたことの一番の根本というか基本の部分がここには書かれていて、それらが自分が何かを考えていくことの礎になっていくのだろう。そう考えると、中高生で初歩の哲学を勉強するのはいいことかもしれない。

この本で「上品(じょうぼん)」「下品(げぼん)」という言葉を知りました

この二つの言葉が、心の隅っこにでも引っかかっているのなら、そのことだけで、君の人生は全然違ったものになるはずだ。

と著者は書いています。この言葉は覚えておこう

図書館でこの本を借りたのだけど、わたしの後ろにも予約があったようで1回読了したところで貸出延長できずに返却することになってしまいました。可能なら延長してもう1回読みたかった

今回個人的に得た教訓
哲学書は図書館で借りて読むべきではない。手元に置いて、何回も読み返すべきである。頭の良い人は一回読めば理解できるし色々論じられるのだろうけど、自分は一度には理解できない

ところで、11月23日の読売新聞社説に哲学教育が取り上げられていたけど、急にどうしたのだろう

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2009年12月02日 [長年日記] この日を編集

_ [雑多]新語・流行語大賞

今年の流行語大賞が発表され、深澤真紀さん命名の「草食男子」がトップテン入りしました。わたしは昨日ニュースはNHKのニュース9しか見ておらず、そこでは彼女の生の声は聞けませんでした。どこかのインタビューでコメントが流れたのだろうか

「草食男子」という言葉そのものに対しては特に何も思わないのですが、マスメディアではこれまでに新聞雑誌で「『草食男子』の命名者」として時折名前を見る程度だったのに、今回は大々的に名前が出ましたね

驚くと同時になんとなく複雑な気分ですが、これからも変わらずに書き続けていただきたいです

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2009年11月29日 [長年日記] この日を編集

_ [雑多]雑談はネタの宝庫であることを、今更ながら知った

わたしの職場では、お昼は会議室のようなところに集まって弁当なりコンビニで買ってきたものを食べる人が多いです

自分がこれまで働いていた場所では「社員食堂に食べに行く」「各々の机で弁当を食べる」のどちらかで、自分は弁当持参のことがほとんどでした。なので「昼食時の雑談」というものをほとんどしたことがない。ここで初めて毎日「昼食時の雑談」をするようになったのですよ

そして今更ながら、雑談はネタの宝庫であることを知りました

最近笑ってしまったネタをいくつか

地震だ!!
先日静岡を中心に早朝大きな地震があったときのこと。昼のニュースでも当然その話題ばかりやっていて、NHKのニュースでは地震の瞬間の様子が繰り返し映っていました。どこかの海岸での地震の瞬間の映像を見て、ある人が「この映像撮影した人大変でしたね」と一言。あれは定点カメラです
風邪を引きそうなとき
新型インフルエンザの話題から、風邪の話題になった。わたしが「わたしは風邪の引きはじめに耳の後ろが冷えるんです。そこがすごく冷たくなると『風邪引きかけてる』と思うんです」と言ったら、ある人が「うちの母親は、普段は小食なのに風邪の引きはじめに食欲が増して、どんなに食べても満腹感を感じなくなると言ってる。あまりにもおかしいから『それは風邪と関係ないでしょう』って言ってやった」と言った
挙動不審?
テーブルの上に誰かが置き忘れた新聞とチラシがあって、それを見た人が「挙動不審物件って何?」と言った。よく見たら「不動産物件」と書いてあった

ほかにも笑った話はいろいろあるけどこの辺で

面白い話は、自分のすぐそばにもあるもんだ

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2009年11月25日 [長年日記] この日を編集

_ [book]《書評》やり過ぎないことも大事〜自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術

この本のオビには「「前向きに」って、疲れませんか?」「ほどよく、生きよう!」と書いてあります。ここから推察されるように、前向きな本ではありません。人間関係に限らず、最近はなんでも積極的に解決していこう、と主張する本が多い気がしますが、そういう中で異色の本だと思います

やりたいことをうまく実現させるためには、「様子を見る」「無理をしない」ことも必要で、大事だということです。

とか

大きなトラブルになるのを防ぐためには、途中で休んだり、逃げたり、ちょっとした嘘をつくことも大事なのです。

と主張する本は、あまりないのではないでしょうか

実際「いつでもポジティブ、ネガティブなのは許せない、物事はアグレッシブにやってナンボ」という考えの人が読むと「こんな暗くて後ろ向きでいいのか!」とか「前向きなのが悪いことなはずがない、後ろ向きなことがいいわけない!」とか「こんな考え方は受け入れられない!」などと思われるかもしれません。実際著者もあとがきで

私自身、この「メンテナンス術」という方法が、どんな人にも、どんなときにでも、役に立つとは思っていません。…ただ、時にはこの考え方が役に立つこともある、くらいに思っていただければうれしいです。すくなくともいまの私自身は、この考え方をするようになって楽になりました。

と書いています

わたしはこの本の考え方は自分に合っていると思いました

言うまでもないことですが、人間関係はとても大事です。どんなに好きな仕事でも、人間関係のために諦めてしまったなんて話はよくあるし、逆に人間関係がよければ、つらいことでも乗り越えられるかもしれない

でもだからこそ、人間関係に対して一歩引いた視線や姿勢が必要なんではないかとも思うのです。これは人間関係に限らず、仕事でもそうだと思う。それに溺れてしまわないためにも、一歩引いた視線・姿勢はどんな場合でも必要なのではないでしょうか。こういう事を意識するきっかけとして、この本は良かったと思います。

この本で特に印象的だったのが「自分取材」と「自分法人」という言葉です

「自分取材」は今ある自分を知るための方法で、どこかにいるかもしれない自分を探す「自分探し」ではありません。著者は「自分探し」はすすめていません。今ある自分の中でも、特にネガティブな自分を知ることが重要だと言います。ポジティブな視点だけでなくネガティブな視点からも自分を見ておかなければ、自分を知ることができないから

自分取材はどこかでやってみたいと思います

「自分法人」は自分を「法人(組織)」として考え、「自分法人」が「他人法人」とどうつきあっていくかを考え、人間関係をメンテナンスしていく、という考え方です

はっきりいって、万人向けの本ではないです。でもわたしは、自分を長持ちさせるための考え方を知ることができてよかったと思う

…………………………

わたしはこの本の著者とちょっと変わった出会い方をしています。著者の名前を本で見て、実際に文章を読むまで十数年の時間があったのですが、こういう縁もあるものなのだな、と思います。彼女の文章は、これからも読んでいきたいと思います

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